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これは、実際に中島が各種講演で使用しているレジメを公開するものです。 このレジメは、中島成著「図解でわかる会社法」(2005年11月発行・日本実業出版社)に準拠しています。 このレジメの全部又は一部を、セミナー、勉強会、講演・講義等で使用される場合、又は、その他の目的で頒布される場合は、あらかじめ当事務所の承諾を得るようお願いします。 Copyright 2005 Nakashima All Rights Reserved. 新「会社法」講演レジメ 〜その経営に与えるインパクト〜 2006年(平成18年)6月 <目次> 1、新「会社法」の施行 2、これまでの商法と異なる会社法の最重要ポイントは5つ 3、会社法が経営実践に与える具体的なインパクトの数々 (1)、最低資本金の撤廃と新事業創出促進法による1円会社の行方 (2)、会社統治のための機関設計の自由化 ア、コーポレートガバナンスの議論と機関設計の自由化の関係 イ、ガバナンス体制=機関設計選択のための判断ポイント (3)、会計参与=会社法で創設された新しい機関 (4)、株主総会、取締役会の招集手続や議決手続の簡素化 (5)、取締役の解任 (6)、内部統制システムの構築 (7)、事後設立に検査役調査不要 (8)、簡易事業譲渡 (9)、事業譲渡以外の簡易組織再編、略式組織再編 (10)、差損を生じる吸収合併等が可能 (11)、敵対的買収に対する対抗策 (12)、株主平等原則の大きな例外 (13)、有限会社法の廃止 (14)、合同会社(日本版LLC)の創設、LLP(有限責任事業組合)と の比較 (15)、その他 1、新「会社法」の施行 平成17年6月29日「会社法」という名前の法律が初めて誕生→平成18年5月1日施行 平成18年2月7日に会社法によって委任された細目を定める「会社法施行規則」、「会社計算規則」、「電子公告規則」が公布され、平成18年5月1日に会社法と同時に施行 ●会社法は条数979の大法典 旧商法と有限会社法は片仮名・文語体 旧商法と商法特例法の改正が繰り返され、280条の39(旧商法)とか、21条の39(商法特例法)などと大量の枝番号が付された条文群もあった。 ↓ 会社法は、すべて平仮名・口語体で表記されただけでなく、それまでの商法、商法特例法等に重要な改正を加えたもの ●初めて定義規定が置かれた(会社法2条)。 ●会社法施行前の事柄にも会社法が適用されるのが原則(会社法 附則2条) ↓ ●整備法も重要 経過措置や、旧商法を含め、既存の法律にどのような改正が加えられか、定款にどのようなみなし規定がおかれるか、有限会社がどうなるか等を整備法に規定 2、これまでの商法と異なる会社法の最重要ポイントは5つ @最低資本金規制の撒廃 Aガバナンスの自由選択 BM&Aの機動化と柔軟化 C配当と議決権の特別な定め D有限会社法の廃止と合同会社(日本版LLC)の創設 3、会社法が経営実践に与える具体的なインパクトの数々 (1)、最低資本金の撤廃と新事業創出促進法による1円会社の行方 ・資本制度の意義 ・最低資本金の撤廃=設立の際は1円でよい。設立後は0円にもできる。 ・新事業創出促進法によって設立された確認会社はどうなるか ↓ 既に約2万5000社以上存在する。 「資本金を1000万円or300万円に増額する」旨の定款規定を削除すればよい(取締役会(取締役会非設置会社では取締役の過半数)でできる)。 ・債権者保護機能はどうなるか ↓ 剰余金分配規制(会社法446条、461条) 最低純資産額規制=300万円(会社法458条) (2)、会社統治のための機関設計の自由化 ア、コーポレートガバナンスの議論と機関設計の自由化の関係 ・なぜ企業が違法行為をし続けるのか? ↓ 会社は誰のためにある? ↓ 説明責任(=アカウンタビリテイ) ↓ コーポレートガバナンスの議論 =会社を違法行為や社会的非難から守り、 また、最も適切な経営体制を常に維持して経営の効率化を図っていこうとする議論 ↓ モニタリング機能を高めるための2つの方向 @監査役の強化 →監査役会を設置する会社の監査役は半数以上が社外監査役(335条3項)。 A取締役会とは違う機関に意思決定・執行を行なわせ、取締役会はそれを監督、評価する。また取締役を実質的に選ぶのは代表取締役ではない別の者とする →委員会設置会社 (会社法では、規模の大小を問わず、また株式譲渡制限の有無を問わず、株式会社は委員会設置会社になることができるようになった) ※会計参与の創設も経営の透明性確保に資するため。 イ、ガバナンス体制=機関設計選択のための判断ポイント ・有限会社を会社法に取り入れたことと、会計参与を置いたこと等によって、主として中小規模の会社(株式譲渡制限会社や資本金5億円以下の会社)に、会社法は大幅な機関設計の自由化を認めた。 ・株式会社の機関 ↓ 株主総会、取締役、取締役会、代表取締役、会計参与、監査役、監査役会、執行役、代表執行役、委員会 ※会計監査人は、会社の外部機関 <機関設計のポイント> @株主総会と取締役は必ず置かねばならない。 ↓ Aしかし、その他の機関である取締役会、会計参与、監査役、監査役会、そして、会計監査人を設置するか否か、また、委員会設置会社になるか否かは、すべて定款で自由に決められる(326条)。 ↓ B代表取締役は、取締役会非設置会社では置くかどうか自由。 代表執行役は、執行役が一人ならばその者が当然になり、執行役が複数いれば取締役会によってその内の一人が選ばれる。 <会社法において「機関設計が自由」という具体的な意味は何か?> ↓ 上記Aの各点を自由に判断できる(=定款で定められる)ということ ↓ この自由への制約ルールは次の3つ ・株式譲渡制限会社ではない会社(「公開会社」)では取締役会が必 要など、株式譲渡制限会社か否かによる制約。 ・取締役会を設置する場合は、監査役設置会社または委員会設置会社になるな ど、ある機関設計を選択したことに伴う制約 ・資本金5億円以上等の大会社は会計監査人が必要など、会社規模による制約(326〜328条) ↓
※すべての会社は会計参与を置ける(326条2項) <機関設計の具体的な判断要素> ・取締役会の要否→株主による直接支配が適切と考えるか否かで決まる。 非設置会社は、株主総会で一切の事項を決定でき、1株で ももつ株主は、株主総会での提案ができる。所有と経営が まったく分離していない有限会社型の統治 ※取締役会を設置しない会社の特徴 ↓ 株式譲渡制限会社のみが取締役会非設置会社になれる。 大会社が子会社にこの形態を利用する場合もあり得る。 会社の管理に関する一切の事項を株主総会で決められる(295条1項)。 1株でも所有している株主は総会において議題、議案を自ら提案できる。 ・ 会計参与の要否→株主代表訴訟の対象になる税理士等(この点が税務申告書の作成を依頼しただけの場合と異なる)に、計算書類を 作成させるメリットの有無で決まる。 金融機関への提出、私募債募集等で、財務の信頼性を示したい会社は、設置を検討する。 ・ 監査役の要否→ 取締役会設置会社では原則として設置義務があり、委員会設置会社は置けず、選択の余地は少ない。 ただし、 ※株式譲渡制限会社は、会計参与さえ置けば、取締役会があっても、監査役は不要(327条2項)。このパターンは、形式的な監査役の存在よりも財務の信頼性を高める。 ※取締役会非設置会社は、監査役を置かないことができる。 ※株式譲渡制限会社は、監査役の職務を、定款で、会計監査に限定できる ↓ 監査役を設置しない会社、設置したけれどもその職務を会計監査に限る会社では、株主のチェック機能が増強されることに注意 ↓ 株主は、裁判所の許可を得ずに取締役会の議事録の閲覧謄写請求ができる(371条2項、3項、2条9号)。 取締役が違法行為をしようとするときは取締役会を自ら招集できる(367条、2条9号)等 ・ 監査役会の要否→3人以上の監査役が必要で、その半数以上が社外取締役という大がかりなもの。 株式譲渡制限会社ではない大会社(資本金が5億円以上等の会社)では設置が義務づけられる。 したがって、大会社が株式譲渡制限があるとか、今後大会社や上場会社になる可能性があるときに、設置が検討されるもの ・会計監査人の要否→委員会設置会社と大会社では設置義務がある。 それ以外の会社で上場を考えている等、特に強い財務監査が必要な会社が、設置を検討するもの。 ・委員会設置会社になるか否か →代表取締役の己監査に陥りやすいこれまでの監査役設置 型会社の構造的弱点を排斥すること、その反面、執行役 に大幅な意思決定権限を与えること(多額の借財や新株 の発行なども執行役ができる)を必要と考えるなら、委員会 設置会社を選択することになる。 ※整備法によるガバナンス体制の維持に注意 (3)、会計参与=会社法で創設された新しい機関 ・会計参与=貸借対照表や損益計算書など会社の計算書類を取締役や執行役と共同で作成し、また、計算書類等を保存して株主や債権者に閲覧させる会社の機関(374条〜378条)。 ↓ 計算書類等保存期間は、定時株主総会の2週間前(取締役会を設置しない会社では1週間前)から5年間 会計参与になれるのは、税理士、税理士法人、公認会計土、監査法人で、法人の場合は、会計参与の義務を行なう個人を選定して会社に通知する必要がある ・新設の理由 ・取締役等と意見が一致しない場合 ・会計参与の任期 ↓ @原則として、選任後2年(2年以内に訪れる決算期のうち、最終分についての定時株主総会終結のときまで)。ただし、A株式譲渡制限会社では、定款で、これを10年以内の範囲で伸長でき、B委員会設置会社では任期は1年。 ・顧問税理士と会計参与 ↓ 顧問税理士に期待されがちな要請=税金を低くする、借り入れのために化粧をした決算書を作成する ←→ 会社法が会計参与に期待する要請=中小企業会計の公正、透明を図る ※参考 「中小企業の会計に関する指針」 ・会計参与の責任 ↓ 任務懈怠による損害賠償責任 株主代表訴訟の対象 会社以外の第三者に対しても、故意(悪意)や重大な過失があったり、計算 書類等に虚偽記載をしたときには損害賠償責任 (4)、株主総会、取締役会の招集手続や議決手続の簡素化 ア、株主総会 ・総会招集通知の発送 ↓ 株式譲渡制限会社は総会の日の1週間前までに、 株式譲渡制限会社ではない会社では2週間前までに行なう(299条) 株主の承諾を得れば、eメールで招集通知ができる(299条3項) ・総会開催地 ↓ 株主が出席するのに特に不便な場所でなければどこでもよく、本店の所在地等である必要はない。 ・株主全員の承諾があれば招集手続きは不要(300条) ・株主の数が1,000人以上の会社は、書面による議決権の行使ができる(298条2項)。 ・株主総会の開催自体を省略できる場合が認められた(319条) ※取締役会を設置しない会社の場合 ↓ 招集通知の発送は定款で1週間より短くできる(299条1項)。 招集通知は電話や口頭ですることができ、書面やeメールによる必要もない(299条2項、3項)。 招集通知に計算書類などの資料の添付も不要。 イ、取締役会 ・1週間前までに各取締役及び監査役に招集通知を発する。この期間は定款で、短縮できる。 ・取締役及び監査役全員の同意で招集手続き自体を省略できる(368条)。 ※委員会設置会社の取締役会の招集 ↓ 取締役のなかから招集権者が選任されるほか、執行役は取締役会招集を請求できる。委員会が選任した委員も取締役会を招集できる(417条)。 ・取締役会の現実開催が不要な場合 ↓ 取締役の全員が、書面またはeメール等で、ある提案に同意したときは、取締役会決議があったとみなすと定款で定められる(監査役が提案に異議を述べたときは除く(370条) ↓ したがって、いわゆる持ち回り決議も可能になった。 ↓ ただし、3か月に1回以上開催されねばならない代表取締役の報告のための取締役会(363条)には通用されず、これは現実開催必要。 (5)、取締役の解任 ・株主総会の特別決議から普通決議に緩和された ↓ 会社法では、株主総会の普通決議=議決権を行使することができる株主の議決権の過半数が出席し(定足数)、出席した株主の議決権の過半数で、決議される(決議要件)。 ↓ 定款によって、この定足数は3分の1まで下げることができ、決議要件は、たとえば3分の2など、より厳格にできます(339条、341条、347条)。 ↓ 任期途中で正当な理由なく解任した場合、解任された取締役は、任期中の報酬相当額等の損害賠償を請求できる(339条2項)。 (6)、内部統制システムの構築 ・内部統制システム(取締役等の職務の執行が法律や定款に適合し、会社の業務の適正が確保されていくための体制)の整備は、必ず取締役会で決定せねばならず、代表取締役等に委せることはできないと明定された(362条4項)。 ・内部統制システムの構築が義務になる場合 ↓ 資本金が5億円以上等の大会社では、内部統制システム構築は取締役会の義務(362条5項) ・内部統制システム=個別企業の事業内容から生じるリスク管理体制の構築 ↓ コンプライアンス体制、デイスクロージャーの内部統制 ※参考 : 大和銀行代表訴訟事件(平成12年9月20日大阪地裁判決) ↓ 取締役の「リスク管理体制構築義務」、「リスク管理体制監視義務」を認めたもの。 ※日本版SOX法=金融商品取引法 (エンロン事件を受けて制定された米国のサーベンス・オクスリー法=SOX法の日本版。上場企業の財務の適正を確保する内部統制システムを確保しようとするもの) ↓ 会社法と株主代表訴訟について ※取締役の責任(423条以下) ↓ 原則として過失責任 ただし、 ・利益相反取引については、@会社と利益相反関係にある取締役・執行役、A会社が当該取引をすることを決定した取締役、B取締役・会社間の利益相反取引に関すに関する取締役会の承認決議に賛成した取締役は、任務違反が推定される(423条3項)。また、取締役会の承認の有無にかかわらず、取締役・会社間の直接取引を自己のために行った取締役は無過失責任を負う(428条)。 ・財源規制に違反して剰余金の配当をした場合は、当該行為により金銭を受けた者、当該行為に関して職務を怠った業務執行者、当該株主総会や取締役会に議案を提出した者は、法定責任として会社に支払義務を負う。 (7)、新会社を設立して事業の一部を移転させることが容易になった(事後設立に検査役調査不要) 事後設立=会社成立後2年以内に、会社成立前から存在する財産を取得する契約をする場合で、取得対価が会社の純資産額の5分の1を超えるもの ↓ 株主総会の特別決議のみで可能になった(309条、467条1項5号) ※会社法施行前までは、この株主総会の特別決議のほか、裁判所の選任する検査役の調査が必要だった。 ↓ 新会社を設立して事業を移転する場合も、新会社の事業がいつスタートできるかわからなかった。 ↓ 検査役の調査は廃止し、株主総会の特別決議のみでO.K. ↓ 100%子会社を設立して、そこに事業の一部を譲渡することが極めて容易になる。それまでは、検査役調査を避けるため、既存の休眠会社を購入したりしていた。 ↓ 会社分割(新設分割)と並ぶ企業グループをつくる手段となる。 (8)、事業譲渡(=営業譲渡)を簡単な手続でできる範囲の拡大 (簡易事業譲渡)。 ・重要な一部の譲渡の場合 ↓ 譲渡会社では、株主総会の特別決議が必要なのが原則 ↓ しかし、対象事業の譲渡会社における帳簿価額が、譲渡会社の総資産額の20%以下の場合は、譲渡会社の株主総会決議が不要(467条1項2号)。 これによって、「重要な一部の譲渡」の意義が明確にされたことになる。 ↓ 事後設立の検査役調査不要と共に、100%子会社に事業の一部を移すことが容易になる。 ・全部譲渡の場合 ↓ 譲渡会社でも譲受会社でも株主総会特別決議が必要なのが原則 ↓ しかし、譲受会社については、対価として支払われる財産の譲受会社における帳簿価額が、譲受会社の純資産額の20%以下の場合には、株主総会決議は不要(468条2項)。 ※会社法施行までは、この割合は5%だった。 ↓ 譲渡会社は、会社が存続しなくなるような事態だから、株主総会特別決議が必要 ※略式事業譲渡も認められる (9)、事業譲渡以外の簡易組織再編、略式組織再編 ・簡易組織再編 合併や会社分割、株式交換において、機動的な組織再編を合理的に行なえるようにするため、次の場合には存続会社等の株主総会決議は不要とされた(796条3項)。 ↓ @対価として相手方に払われる存続会社等の株式の数に、存続会社等の1株当たりの純資産額を乗じて得られる金額と、A株式以外の財産が相手方に交付される場合はその財産の存続会社等における帳簿価額等、これら@、A等の合計額が、存続会社等の純資産額の20%以下であれば、存続会社等での株主総会決議は不要。 ※ただし、株式譲渡制限会社が株式の発行を行なう組織再編は、株主に重大な利害関係があるので、株主総会の特別決議が必要(796条1項ただし書)。 ・略式組織再編 吸収合併、吸収分割、株式交換の契約が、A社(被支配会社)とB社(A社の総株主の議決権の90%以上を有する会社=特別支配会社)の間で締結されるときは、A社でも、B社でも、株主総会決議が不要(784条1項、796条1項)。 (10)、差損を生じる吸収合併等が可能 ・差損(取得する資産より取得する負債のほうが大きいこと)を生じる吸収合併、吸収分割は、存続会社、事業承継会社の資本充実を害するとして認められていなかった。 ↓ 会社法は、これも認めた(795条2項)。 これまでは、差損を生じる合併等は、資産の評価替えや、暖簾の計上によって差損を生じない形にしていた。 ↓ ただし、差損を生じる吸収合併、吸収分割の場合には、簡易組織再編に該当する場合であっても、株主の承認を求めるのが適切なので、株主総会の特別決議が必要(796条3項ただし書)。 (11)、敵対的買収に対する対抗策 ・安定株主 ・第三者に新株または新株予約権を発行 ・ポイズンピル ↓ 取得条項付新株予約権(236条1項7号、240条) ※ポイズンピルが現経営陣の支配権維持に濫用されることを防ぐため、平成17年5月に経産省と法務省によって発表された買収防衛策指針は、強制力はないものの、株主総会の特別決議を経て導入することなどを定めている。 ・黄金株=拒否権付株式 →会社法は、ある種類株式のみに譲渡制限(譲渡に会社の承諾を要すること)を付けることを認めており(108条1項4号)、黄金株だけを譲渡制限株式にできる。 ※経営陣の保身に濫用されないよう、経産省と法務省の買収防衛指針は、上場会社が導入するには慎重であるべきとしている。 ↓ 平成18年3月に東証は、買収防衛策の整備に係る改正上場制度を施行した。 (買収防衛策導入・発動の適時開示、尊重事項と尊重義務違反の公表、株主権の不当制限状態を解消しない場合の上場廃止) ・増配で既存株主の株式所有意欲を高めたり、買収者より企業価値を高める事業計画を株主に示す ↓ 委託者たる株主の信頼に応える受託者としての当たり前の努力が、経営者にとって重要 (12)、株主平等原則の大きな例外 =株式譲渡制限会社において、定款で定めることで、特定の株主にだけ多く配当をしたり多数の議決権を与える属人的区別の取扱いが可能になった。 ・株式譲渡制限会社=全ての株式の譲渡に会社の承諾が必要と定款で定めている会社 ・株主平等原則の大きな例外(殆ど全ての会社は株式譲渡制限会社) ・多数派の意思で既存の株主に対してもこの定款変更の効力を及ぼせる。 ※会社法施行までは、有限会社に認められていたことが広く株式譲渡制限会社に認められるようになった。 ↓ ただし、この定款変更は、総株主の半数以上で、かつ、総株主の議決権の4分の3以上の賛成という特に重い決議要件が必要(会社法109条2項、309条4項) ・これによって、株式会社なのに、合同会社類似の経営が可能になる ↓ 合弁会社、リスクの高いベンチャー企業、会社支配を固定したい同族会社 (13)、有限会社法の廃止 ・有限会社法は廃止。有限会社の取扱いは整備法で規律 ・会社法施行前までに存在した有限会社(以下「旧有限会社」) ↓ 会社法上の株式会社として存在(整備法2条1項) 実質的に有限会社法上の地位を継続できるようにする 会社法施行後も、株式会社ではなく、「有限会社」と称さねばならない 整備法は、これを「特例有限会社」と呼ぶ(整備法3条2項) と呼んで、他の株式会社と区別している。なお、旧有限会社は、定款変更や登記手続きをすることなく、当然に特例有限会社に移行する(整備法42条) ・特例有限会社の特則等 ・通常の株式会社への移行手続き ↓ 定款を変更して商号中に株式会社という文字を用い、当該特例有限会社については解散の登記をし、商号変更したその株式会社については設立登記をすればよい(整備法45条、46条) (14)、合同会社(日本版LLC)の創設、LLP(有限責任事業組 合)との比較 ・「持分会社」=合名会社、合資会社、合同会社 ・合同会社の特徴 ↓ 出資者の会社債権者に対する責任は有限責任だが、出資者の全員が経営に関与できる ↓ 出資者全員が業務執行権限をもち、定款変更は出資者全員の同意がなければできず、出資者全員の同意があれば利益配分を誰にどれだけするかも自由 ↓ 米国のLLC(Limited Liability Company)に似ていることから、日本版LLCといわれる ・創設の理由 @会社支配と、A責任と、B税務の3点 ・税務について ↓ 会社の損益に対する課税関係を会社を通過させて持分権者の課税関係に直接反映させること(パススルー課税)によって、ハイリスクなベンチャー企業に投資した場合のリスクの軽減などのメリットを享受できるようにすることが期待されたが、そうはならず、法人課税がなされる ・有限責任事業組合契約法が平成17年5月に成立 ↓ 有限責任事業組合(LLP=Limited Liability Partnership)は、合同会社と同様の有限責任などの特徴を有しながら、法人でないため、パススルー課税になる。 ・設立 ・利益配当の制限 ・持分の譲渡 ・持分の払戻し (15)、その他 ・現・現物出資・財産引受けの検査役調査不要範囲の拡大 ・DES(債務と株式の交換)がやりやすくなった ・ホームページによる公告、貸借対照表等の公告 ・組織再編の対価の柔軟化、三角合併 ・全部取得条項付株式 ・譲渡制限株式の相続人への会社への売り渡し請求 ・臨時計算書類、株主配当の回数制限撤廃 ・商号規制の緩和→会社設立容易に ・計算書類=貸借対照表、損益計算書、株主資本等変動計算書、個別注記表 ・事業報告の新たな記載事項(会社法施行規則)=社外役員についての情報開示、買収防衛策について、内部統制システム ・定款自治による新たな定款の定めの例 ア、剰余金の配当を取締役会でできるようにする イ、取締役解任決議要件の加重 ウ、取締役会の書面決議 エ、社外監査役、会計監査人の責任限定 オ、ウエッブサイトによる情報開示 以 上 |
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