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企業再生〜債務をカットして中小企業の事業を再生する方法〜

2、各方法のポイントやメリット・デメリット

(6)民事再生手続

民事再生手続は、債権者の多数決で債務をカットできるという点に最大の特徴を持ちます。他の方法では、基本的に金融機関全ての同意が必要です。
債務免除の割合も場合によっては80〜90%など非常に大きな免除を得られる場合があります。多数決のレベルも、債権者の頭数の過半数、担保のついていない債権額の半額以上と比較的緩やかに設定されており、また裁判所から選任される監督委員やその補助者としての公認会計士が手続や再生案等をチエックして債権者に報告しますから透明な手続と言えます。債権者には少なくとも破産した場合より多く配当する再生案でなければならない(清算価値の保証)等、債権者にとっての合理性も有しています。
債権者は、債務免除の対象となった債権額を損金算入できますし、債務者企業も、免除益課税に関し、免除益を吸収して課税のないようにできる枠(金額の範囲)として、通常の繰越欠損金のみならず、いわゆる期限切れ欠損金も利用することができます。資産の再評価による評価目減り額も、この枠に利用できます。
また、経営者は債務者企業の保証人となっているのが通常です。民事再生では、経営者個人についても債務者企業と同じ手続内で民事再生手続を行うことが可能ですし、多額の免除を得ても免除益課税は保証人に発生しません。

他方、民事再生は、破産ではなくあくまで再生を目指して債権者の多数決にかける手続であるものの、民事再生手続を裁判所に申し立てた後は、金融機関は当然として、仕入れ先等商取引先の信用も申立前と同様には維持することはできません。
そこでこれへの対応策として、仕入れをできるだけ現金取引に変更するなどの工夫が必要です。

これまで述べてきた@からEまでの方法の中で、民事再生手続は、唯一、法的手続に属する手続です。すなわち、債権者の半分程度の同意でも法律によって債務カットを可能とする手続です。
それゆえ強力であると同時に、これを行う場合は様々な法的、会計的な面からの検討が必要です。加えて、事業を行ってきた経営者自身による事業継続についての、いわば皮膚感覚による判断も重要になるのです。

以上

≪2、各方法のポイントやメリット・デメリット(5)スポンサーへの事業譲渡等と既存会社の清算

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