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民法改正が不動産賃貸借にどのような影響を与えるか
(民法大改正!家主にどんな影響があるの?)
平成27年10月4日 弁護士 中島 成
これは、実際に中島が平成27年10月4日にアパート・マンションの賃貸オーナーを対象とした講演で使用したレジメを公開するものです。このレジメの全部又は一部を、セミナー、勉強会、講演、講義等で使用される場合、その他の目的で頒布・転載される場合は、あらかじめ当事務所の承諾を得るようお願いします。
目次
- 1、民法改正の経緯
- 2、賃貸借ルールの改正による影響
- (1)敷金とは何か。その返還時期は
- (2)賃貸不動産が譲渡された場合、賃貸人は誰になる。 敷金・必要費、有益費の返還義務はどうなる
- (3)通常損耗なら賃借人に原状回復義務はない?
- (4)明け渡しの際、賃借人は自分が取り付けた物を撤去しなければならないか
- (5)賃貸人の修繕義務、賃借人の修繕権
- (6)一部使用できなくなったら家賃は当然に減額されるか。
一部使用できなくなったのが賃借人の責任でも賃借人は賃貸借契約を解除できるか - (7)サブリース物件で転借人がもとの賃貸人に直接家賃支払義務を負うか。
もとの賃貸借契約が解除されたら、転借人は退去しなければならないか - (8)賃貸物件の使用が妨害されたとき、賃借人は妨害をやめるよう請求する権利があるか
- (9)用法違反による損害賠償請求権の消滅時効
- (10)賃貸借契約の存続期間
- 3、保証ルールの改正による影響
- (11)賃貸借契約の個人保証も極度額の設定が必要。
個人が保証する元本が確定する場合とは? - (12)保証会社が保証する場合と極度額
- (13)賃借人が保証人に資力等を説明しなかったら保証が取り消される場合がある
- (14)賃貸人が保証人から家賃の支払い状況を尋ねられた場合の情報提供義務
- (15)分割払いの約束違反についての情報を賃貸人が保証人に提供する義務
- (16)事業のための資金借り入れの個人保証と公正証書ルール
- 4、その他のルールの改正による影響
- (17)家賃の消滅時効期間はどうなる
- (18)家賃滞納等と遅延損害金の利率
- (19)将来発生予定の家賃債権を譲渡できるか
- (20)賃貸借契約の解除ができない場合
- (21)約款に関する民法改正は賃貸借契約も対象とするか
1、民法改正の経緯
- 明治29年(1896年)
- 民法制定
- 平成16年
- 現代語化、及び保証に関する一部改正
- 平成21年
- 法務大臣による改正検討指示
- 同年11月
- 法制審議会民法(債権法)部会設置
- 平成25年3月
- 中間試案公表
- 同年4月〜6月
- パブリックコメント
- 平成26年8月26日
- 法制審議会民法部会が改正要綱原案を承認
- 平成27年
- 通常国会に民法改正案提出 → 同年の臨時国会、又は平成28年の通常国会で審議される見込み
- 今回の改正は、民法の中での債権法(=契約に関する法)分野が改正の対象なので、債権法改正ともいわれる。この債権法分野は民法制定以来大きな改正がこれまで行われていない。
- 現在の条文数は、ドイツ、フランスの半分以下。
- 判例によるルール補充が蓄積している。
※ 本レジメの改正民法の条文は現在の法案に基づいています。