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新法令・通達の解説

(令和4年6月30日までの発表・公布・施行分)
消費者契約法等の改正による消費者保護の強化
令和4.6.1 法律第59号=消費者契約法及び消費者の財産的被害の集団的な回復のための民事の裁判手続の特例に関する法律の一部を改正する法律

消費者被害の防止・救済を目的とする法改正がありました。その主な改正内容をみていきます。

消費者契約法の改正

消費者契約をとりまく環境変化をふまえつつ、平成30年改正時の附帯決議に対応し、消費者が安全・安心に取引できるセーフティネットを整備します。

・契約の取消権の追加
次のケースについて、契約の取消権が追加されます。
・勧誘することを告げずに、退去困難な場所へ同行し勧誘
・威迫する言動を交え、相談の連絡を妨害
・契約前に目的物の現状を変更し、原状回復を著しく困難にする

・解約料の説明の努力義務
消費者に解約料の算定根拠の概要を説明すること、適格消費者団体に営業秘密を除く算定根拠を説明することを努力義務とします。

・免責の範囲が不明確な条項の無効
賠償請求を困難にする不明確な一部免責条項(軽過失による行為にのみ適用されることを明らかにしていないもの)は無効とされます。

・事業者の努力義務の拡充
事業者に対して、契約締結時だけでなく契約解除時にも解除行使権に必要な情報提供を行なう、勧誘時には消費者の知識・経験に加え、年齢・心身の状態も総合的に考慮した情報提供を行なう等、努力義務が拡充されます。

消費者裁判手続特例法の改正

消費者の被害を救済しやすく、利用しやすい制度へと進化させるとともに、制度を担う団体が活動しやすくする環境整備を行ないます。

・対象範囲の拡大
消費者裁判の対象となる損害に「一定の慰謝料」(基礎的事実関係が共通で、(1)財産的損害と併せて請求の場合、(2)故意による場合)を追加します。
また、対象となる被告に「事業者以外の個人」を追加します。これは悪質商法に関与した事業監督者・被用者を想定しています。

・和解の早期柔軟化
消費者裁判手続きは共通義務確認訴訟、簡易確定手続等の2段階で進められます。
その1段階目(共通義務確認訴訟)で、解決金を支払う和解、金銭を支払う以外の和解、総額和解、消費者への支払いまで完結する和解等、様々な和解が可能になります。

・消費者への情報提供方法の充実
事業者に消費者への個別通知を義務付ける、消費者の氏名等の情報開示を早期に可能にする、特定適格消費者団体からの通知を簡潔にすること等で、消費者への情報提供方法を充実させます。

・特定適格消費者団体の負担軽減
特定適格消費者団体を支援する法人(消費者団体訴訟等支援法人)を認定する制度を導入し、特定適格消費者団体の負担軽減を図ります。
この法律は一部の規定を除き、公布の日から起算して1年を経過した日から施行されます。

その他の新法令・通達

  • 受信料制度の見直し
  • 放送法が改正され、NHK受信料についての割増金制度の創設、放送事業者への外資出資規制の強化などが行なわれています。
  • (令和4.6.10 法律第63号=電波法及び放送法の一部を改正する法律)
  • 自賠責保険料の引上げ
  • 被害者救済など自動車事故対策事業を実施するための賦課金を自賠責保険料に上乗せし、制度の持続を図る自賠責法の改正がありました。
  • (令和4.6.15 法律第65号=自動車損害賠償保障法及び特別会計に関する法律の一部を改正する法律)
  • 法定刑の見直し
  • 懲役と禁錮を一元化し受刑者の年齢や特性に合わせた処遇ができるようにする「拘禁刑」の創設、侮辱罪の厳罰化など、刑法の改正が行なわれています。
  • (令和4.6.17 法律第67号=刑法等の一部を改正する法律 ほか)
  • 省エネ基準への対応
  • これまで制度の対象外だった小規模建築物なども含めて、すべての建築物に省エネ基準への適合が義務付けられます。
  • (令和4.6.17 法律第69号=脱炭素社会の実現に資するための建築物のエネルギー消費性能の向上に関する法律等の一部を改正する法律)

出典・文責 ≫ 日本実業出版社・株式会社エヌ・ジェイ・ハイ・テック

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