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会社(企業)の民事再生手続の実際 〜過剰債務からの解放を図る〜

1、過剰債務を切り離すための会社(企業)の民事再生手続(1)

民事再生という手続が存在することや民事再生という言葉自体は、企業経営者の方々の間でとてもポピュラーになっています。
民事再生と一口でいっても、企業の申し立てるものと個人の申し立てるものの二種類があり、ここでは当事務所が多く扱ってきた企業の民事再生手続についてその実践的なツボ、及び実践例について記します。
個人の民事再生手続は、経営者の個人保証債務への対応手段という位置づけで、その活用手段をご説明します。

(ア)民事再生手続とはどのようなものか

民事再生手続を一言で言えば、「過剰債務を債権者の多数決によってカットする法的手続」です。大企業のみならず、中小企業、個人事業、病院や学校等この手続を利用できる範囲に制限はなく、広く利用されています。
民事再生手続においては、今後の事業計画を立て、そこから例えば5年とか10年をかけて返済できる弁済総額を計算して返済計画を立て、それ以上の債務カットを債権者集会にはかります。そして債権者の頭数の過半数、かつ債務額の二分の一以上の賛成を得ることができれば、計画どおり負債をカットしてもらうことができるのです。

(イ)再生計画の立て方

この返済計画(再生計画)は、民事再生手続を申し立てるまでの営業の実績、短期間ながら申立後再生計画を裁判所に提出するまでの営業の実績、その後の見通し等を前提に、どのくらいの税引き後利益を今後生み出していけ、その内どのくらいを返済に回せるかを検討します。この場合、仮に民事再生手続開始のときに破産したとすれば債権者に配当される額よりも多い額を弁済する計画にしなければなりません。

(ウ)民事再生手続申立後の取引先との関係

再生手続を申し立てた場合、一般に信用が失われます。しかし実際には、それまでの業務上の取引先は、既に発生している債権がどれだけ回収できるかという点もさりながら、重要な関心は、今後も申立企業と取引していけるかどうかという点です。ですから、民事再生手続申立後の支払い方法を現金払いやそれに近いようにすることは要求されるものの、闇雲に再生計画に反対するという対応をとる取引先は、思いの外少ないという現実があります。

(エ)民事再生手続申立後の金融機関との関係

金融機関は、最大の債権者であることが通常です。そこで申立直後に申立を行った旨連絡したうえ状況説明に回ります。
金融機関も、基本的には、再生手続の中で出てくる再生計画がどのようなものか、このまま破産した場合と今後出てくる再生計画とを比較してどちらが多く回収できるかという合理的な観点で対応します。ですから、再生手続を申し立てても、再生計画の提出を待ちそれを検討していくという態度に出るのが一般で、申し立てたことに闇雲に反発して、とにかく反対を表明するという金融機関は多くないのが実際です。不良債権が発生する貸付を行った金融機関側にも全く責任がないとはいえないという点も、その背景にあると言ってよいでしょう。

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