企業再生〜債務をカットして中小企業の事業を再生する方法〜
1、事業再生の方法
過剰債務をカットして中小企業の事業を再生する現実的な方法(以下「事業再生の方法」といいます)には、次のものがあります。
- (1)リスケ交渉
- (2)特定調停
- (3)中小企業再生支援協議会、地域経済活性化支援機構の利用
- (4)第二会社方式
- (5)スポンサーへの事業譲渡等と既存会社の清算
- (6)民事再生手続
(1)、(2)、(3)は、債務カット等を求める債権者全員の同意が原則として必要な手続です。(3)の中小企業再生支援協議会で実際に行われる方法の大部分はリスケ交渉で、その他の第二会社方式等が採られる場合を含め、少なくとも金融機関の同意を得られることが原則となります。
(4)、(5)は、債務カットを求める債権者全員の同意は必ずしも必要ではないものの、同意を得なかった場合は、債権者を害する詐害行為等として財産移転が否定される場合があります。
(2)、(6)は、裁判所を利用する手続です。
(6)は、債権者の多数決で債務をカットする手続です。