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改正民法が不動産賃貸業に与える影響 〜平成29年5月26日、民法(債権法)の大改正が成立〜

5、施行前の契約と改正民法の適用関係(No.41)

改正民法の施行前に行われた契約等と改正民法の適用関係(経過措置)については、改正民法の附則が定めている。
↓ 
施行前に発せられた解除等意思表示の到達(6条2項・以下の条文は附則)、施行前に生じた債権の消滅時効期間(10条4項)、施行前に生じた利息や遅延損害金の法定利率(15条1項、17条3項)、施行前に生じた交通事故などにおける中間利息控除に適用される法定利率(17条2項)、施行前にされた保証契約(21条1項)や債権譲渡(22条)や相殺禁止特約(26条1項)、施行前に締結された契約の解除(32条)、施行前にされた売買契約や賃貸借契約や請負契約(34条1項)、これらについての規律は、改正民法施行後も改正前民法による。
他方、施行前に締結された定型約款については、改正民法施行後は、改正民法によるのが原則である(33条)。

【改正民法施行前に締結された契約を、施行後に更新したらどうなるか】

改正民法施行日前に締結されていた契約が、施行日以後に更新された場合、改正民法と改正前民法のどちらが適用されるかについては、附則から読める内容と法務省の見解とが食い違っていると考えられる。
特に賃貸借契約について、附則からは、改正民法施行日以後に更新された場合は、更新される賃貸借期間以外の内容については、改正前民法が適用されると読める。しかし、法務省見解は改正民法が適用されるとするものである。

保証契約については、

  1. 賃貸借契約が更新されても、保証契約自体が更新されなければ改正前民法による。
  2. 保証契約が更新されれば、改正民法による、
と考えられる。この点は、附則と法務省の見解で矛盾はないと考えられる。

その他、売買、消費貸借、使用貸借、雇用、請負、委任、寄託、組合の各契約については、更新された場合、附則からは改正前民法が適用されるとも読めるものの、法務省見解は改正民法が適用されるとしている。

以 上

≪ 4、その他のルールの改正による影響

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