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平成17年会社法の現代化の内容
法制審議会の会社法(現代語化関係)部会は、平成16年12月8日、「会社法の現代語化に関する要綱案」をとりまとめました。平成17年通常国会において、要綱案に基づく法案が提出され、平成18年4月1日に新法の施行が目指されております。
この要綱案の基本方針は、
- 〔1〕現代語化
- (条文の平仮名口語化、用語の整理と解釈の明確化の観点からの規定の整備、会社法と有限会社法、商法特例法等を一つの法典に再編成する)
- 〔2〕実質改正
- (諸制度間の規律の不均衡の是正、最近の社会経済情勢の変化や企業実体に対応するための各種制度の見直し)
となっています。
要綱案の主な内容は以下のとおりです。
| 会社の種類 | (1)株式会社と有限会社の統合 現行の株式会社と有限会社を統合し、一つの会社類型(株式会社)として規律する。新法施行後は有限会社を設立することはできない。ただし、現行の有限会社法に基づいて設立された会社は、新法施行後も有限会社を名乗ることができる一方、有限会社が株式会社に移行するための経過措置も設ける。 |
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| (2)合同会社(仮称)の創設 出資者の有限責任が確保され、会社の内部関係については、組合的規律が適用されるという特徴を有する新しい会社類型が創設される。 |
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| 会社の設立 | (1)最低資本金規制の撤廃 最低資本金制度(株式会社1000万円、有限会社300万円)を撤廃する。ただし、債権者保護の観点から、純資産額が300万円以下の場合は剰余金があっても株主に配当できない。 |
| (2) 払込の事実の証明 払込保管証明に関する制度を廃止。設立登記の際には、残高証明書を提出すればよいことになった。 |
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| (3)現物出資、財産引受、事後設立関係 〔1〕現物出資・財産引受について、検査役の検査が不要な場合を資産の価額が500万円を超えない場合に限定する。 〔2〕事後設立の際の検査役の調査を廃止する。 |
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| 株式 | 株式譲渡制限制度について、定款で、一部の種類の株式についてのみ承認を要するものとすることや、相続・合併等の事由による株式の移転についても実質的に譲渡承認の対象とすることができることになった。 |
| 機関 | (1)機関設計 以下に掲げる原則の下で、株式会社は取締役会、監査役、監査役会、会計参与、会計監査人、又は三委員会等(指名委員会、監査委員会、報酬委員会、執行役)を任意に設置できるものとし、株式会社の機関設計の柔軟化を図った。 (原則)
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(2)株主総会関係
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(3)取締役・取締役会関係
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(4)株主代表訴訟関係
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| (5)監査役関係 従来、小会社及び有限会社の監査役は会計監査権限しかないとされていたところ、監査役は、原則として一律に業務監査権と会計監査権限を有するものとし、株式譲渡制限中小会社のみ例外的に、定款で会計監査権限に限定できることとした。 |
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| (6)会計参与(仮称)制度の導入 取締役・執行役と共同して計算書類を作成する会社の機関。会計参与は公認会計士・税理士でなければならない。会計専門家が計算書類作成に参加することで、その信頼性を高めようとする制度。 |
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| 計算 | 剰余金の分配に関する規制の整備・合理化を図る。 |
| 組織再編 | (1)吸収合併、吸収分割または株式交換において、消滅会社の株主に対して、存続会社等の株式を交付せず、代わりに金銭その他の財産を交付することを認める。 |
| (2)合併差損が生じる場合(消滅会社が債務超過会社の場合等)でも、所定の開示手続を採ることを条件に、合併を認める。 | |
| 清算 | 清算手続は裁判所の監督に服するとの規定を削除する。 |
